観葉植物の水やりのポイント
観葉植物の水やりのポイント
観葉植物を育てる上で、水やりはとても大切です。間違った方法で水やりをしてしまうと、植物が弱ってしまったり最悪の場合には枯れてしまうことも…
正しい水やりのポイントを覚えることで、素敵なグリーンライフを実現できます。植物を初めて育てる方はもちろん、植物をよく枯らしてしまう方も、この機会に正しい水やりの方法をマスターしましょう!
水やりのタイミング
まずは観葉植物の水やりのタイミングについて説明していきます。水やりは土に水分を含ませることで、根がその水分を吸い上げ、葉っぱに水分を供給するために行います。そのため、水やりの回数が少なく土がカラカラの状態が続いてしまうと、根が水分を吸収できなくなり、最悪の場合、植物は枯れてしまいます。
逆に、必要以上に水やりをしてしまうと、土が常に湿った状態が続き、植物の根が腐ってしまいます。腐った根は土から水分を吸収することができなくなり、葉に水分を供給できなくなってしまいます。この場合も、植物が枯れてしまいます。
難しく思えますが、これから説明するポイントを覚えることで観葉植物の水やりが簡単になります。重要なのは、根が水分を欲しがるタイミングを見逃さないことです。ここでは植物が水分を欲しがっているサインをいろいろな角度から見ていきます。
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土の乾き具合をチェック
土は水分を含むと黒っぽく見え、逆に水分がなくなると砂のように白っぽく見えます。土が乾いて白っぽくなったときが水やりのタイミングです。ただし、土の表面が乾いていても画像のように少し土をどけてあげると、その下は湿っている場合があるので注意が必要です。それでも土が乾いているときに水やりをしてあげましょう。
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葉っぱの様子をチェック
葉の状態でも水やりのタイミングを知ることができます。上のbefore・afterの画像を見ると、beforeの葉は張りがなく、少ししなっているように見えます。この状態が植物が水分を欲しがっているサインです。このタイミングで水やりをするとafterのように葉が瑞々しく、シャキッとします。
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種類によって異なる場合も
観葉植物には色々な種類があり、多肉植物やサボテンなどは葉に水分を蓄えることができます。そのため水を与えすぎると水分過多で葉や幹が腐ってしまうことがあります。これらの植物は土がカラカラに乾いてから更に数日経ってから与えると良いでしょう。これらの植物は必ず晴れた日に水やりをすることも大切なポイントです。
水を与える量
次は、一回の水やりで与える「水の量」について説明していきます。水の量は観葉植物が成長していく上で、とても重要です。水の量が少なすぎると、根が十分に水分を吸収できなかったり、土全体に水分が行き渡らずに植物が枯れてしまうこともあります。
一方で、沢山の水を与えたとしても、水の量が多い分は鉢底から出ていくので、与えすぎるということはありません。与えるときはたっぷりと与えるようにすれば大丈夫です。また、手軽に正しい水やりをする方法として、大きめのプラスチックの受け皿(ホームセンターなどで販売しています)を用意します。そしてプラスチックの受け皿に鉢を移してから水やりをします。10分ほどして水が切れてから元の受け皿に移してあげると簡単に水やりができます。ここでは、水やりで与える水の量の目安をはじめ、正しい水やりの仕方や水やりの意外な役割など、あまり知られていないことまで詳しく触れていきます。
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目安は鉢底からしみ出るくらい
水やりの量について、鉢の大きさによって土の量が異なるので、一概には言えませんが、鉢底から水がしみ出る程度の量を必ず与えてください。よくコップ半分くらいの量を毎日与える方がいらっしゃいますが、これでは鉢の中の土全体に水分が行き渡りません。必ず鉢底からしみ出る程度の量を与えましょう。
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土全体に水を行き渡らせる
水やりの方法について、よくある失敗は一か所に集中してちょろちょろ水を与える事です。このやり方だと、鉢の土全体に水分がしみ渡らず、水がいきわたらない場所が出てしまいます。一か所に集中して水を与えるのではなく、必ず土全体に与えるようにしましょう。土の上に水が溜まり、徐々にしみ込んでいくぐらいが理想です。
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土の中の空気を入れ替える
水やりには土の中の空気を入れ替えるという重要な役割があります。根も呼吸をしており、鉢の中には二酸化炭素が溜まっています。水をやることで水と一緒に酸素が鉢内に供給され、水の力で二酸化炭素を鉢底から押し出します。そのため、鉢底から水が出ない程度の水やりだと二酸化炭素が押し出されず、鉢内の環境が悪くなります。
葉水を与える
続いて、葉に水を与える「葉水」について説明していきます。観葉植物にとって葉に潤いを与えることは、とても大切な事です。葉水は霧吹きで与えますが、できるだけ細かな霧が出るものがよいでしょう。
土への水やりはタイミングがとても重要であると説明しましたが、霧吹きに関しては毎日与えても問題ありません。ただし、真夏の気温の高い日中は葉水がお湯のようになってしまいますので、朝夕の涼しい時間帯に与えます。逆に真冬は朝夕の気温が低く、葉水が冷たくなり、葉が傷む可能性があるので、暖かい日中に与えましょう。
葉水の仕方についてですが、毎回すべての葉がびちゃびちゃに濡れるほど与えるのではなく、植物の周辺の空気に潤いを与えるように軽く霧吹きをするだけで構いません。とはいえ、たまには葉の表裏にしっかりと霧吹きで葉水を与えると、より良いでしょう。ここからは葉水を与えることの重要な役割を詳しく説明していきます。
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虫や病気の対策に
虫は乾燥している場所を好みます。常時乾燥した環境だと虫がつきやすくなってしまいます。しかし、定期的に葉水を与えることで葉が潤うと、虫が嫌がる環境になるので、虫が発生しにくくなる効果があります。病気についても、病気のウィルスは虫が媒体となって運んでくることが多いため、葉水で虫がつきにくくなることで、病気にもかかりにくくなります。このように葉水は病害虫の発生を抑制しますので、ぜひ試してみてください。
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ホコリの除去
ウンベラータやゴムの木など、葉の表面が広い植物は知らず知らずのうちに、葉の表面にホコリが溜まってしまいます。ホコリが溜まると見た目が美しくないのはもちろん、光合成を妨げる要因にもなりかねません。少しのホコリなら葉水で綺麗になりますが、ホコリがひどい場合は、葉水を与えた後に柔らかい布で葉の表面を拭いてあげましょう。このように葉の表面を美しく保つことで、さらに愛着が沸いてくるでしょう。
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冬の乾燥対策
冬は空気がとても乾燥する季節。お部屋の中は暖房などの空調によって更に乾燥します。人間の髪の先端が乾燥によって傷むように、植物も乾燥すると葉の先端が変色します。これは葉の先端から水分が失われるためです。葉水で乾燥を和らげてあげることで、変色を改善できることがあります。葉水をこまめにできない場合は加湿器を使用したり、濡れたタオルを植物の近くに干すことでも効果がありますので、ぜひお試しください。
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季節によって水を与える頻度を変える
人間が気温が高くなるにつれて、のどが渇きやすくなるのと同じように、観葉植物も季節によって水を欲しがるタイミングが異なります。基本的には気温が高くなるにつれて、水やりの回数を増やします。冬はほとんど活動しませんので、回数を減らします。しかし気温とは関係なく、新芽が出る時は水を欲しがります。新芽が作られるときは水分をたくさん消費しますので、普段より早く土が乾きます。普段からしっかり見守ってあげることで植物の少しの変化を見逃さずに、健やかに育てることができます。
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鉢が小さいものは外やベランダで
鉢底から染み出る量を与える必要があることは、ここまで説明してきました。しかし量が多すぎると受け皿から溢れてしまいます。そこで便利な水やりの方法として、ベランダなどの戸外に植物を出してたっぷり水やりをし、10分ぐらいして、水が切れてから元の受け皿に戻してあげるのもよいでしょう。大きい植物で、戸外に出すのが大変な場合は、ホームセンターなどでプラスチック製の大きくて深さのある受け皿が販売されているので、こちらをご用意ください。水やりの際にプラスチックの受け皿に移してから、たっぷり水を与え、10分ぐらいして水が切れたら元の受け皿に戻してあげましょう。
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水を与える時間帯
水やりに適した時間帯ですが、これは季節によって異なります。春~夏の気温が高い季節は日中に与えると水が鉢の中でお湯のようになってしまいますので、朝夕の涼しい時間帯に与えるとよいでしょう。秋~冬の気温が低い季節は気温の低い夜間に与えると、水が冷たすぎて根を傷める可能性がありますので、気温が高く温かい日中に与えるようにしましょう。与える水ですが、できれば1日常温で置いておいた水を与えてあげるとよいでしょう。