観葉植物の葉がベタベタするのはどうして?

「観葉植物の葉がベタベタするけど、原因が分からない…」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

観葉植物の葉がベタベタして弱ってしまう場合、カイガラムシと呼ばれる害虫の発生が考えられます。害虫は放置しておくと観葉植物を弱らせてしまうため、早めの対処が必要です。

今回は観葉植物の葉がベタベタする理由と、カイガラムシへの対策・予防法について解説します。

目次

観葉植物の葉がベタベタする理由は大きく2つ

観葉植物を育てている方で、葉の表面のベタベタに悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。葉のベタベタは何かの病気ではないかと心配してしまいますが、理由として考えられるのは次の2つです。
  1. 葉の蜜腺から分泌液が出ている
  2. 害虫であるカイガラムシが発生している
それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.葉の蜜腺から分泌液が出ている

観葉植物の中には、蜜腺と呼ばれる部分からネバネバした分泌液が湧出する種類があります。これは光合成の際に作られた糖分が染み出したもので、葉の表面に付着するとベタベタした液体のようになります。

蜜腺によるベタベタは自然な現象で、植物の成長にはなんら問題はありません。最近の研究では、甘い蜜に集まってきたアリに、葉に付着した害虫や卵を持ち帰ってもらうためとする文献も発表されています。

一点注意したいのが、蜜腺から過剰に分泌液が出る場合は、根詰まりの可能性が考えられるということ。

本来根から排出される余分な糖分が上手く流れず、蜜腺から溢れ出ているケースが考えられます。水やりの際に水分の吸収が悪い場合や、株の成長が鈍くなっている場合は根詰まり解消のために植え替えを検討しましょう。

2.害虫であるカイガラムシが発生している

葉のベタベタの原因として要注意なのが、カイガラムシの発生です。
カイガラムシは1.5mm~3.0mm程度の小さな害虫で、観葉植物の汁を吸って成長します。そのためカイガラムシの排泄物は糖度が高く、これが葉のベタベタの原因になります。

繫殖力が強く、株を弱らせてしまう原因となるため観葉植物にとっては大敵。その上、葉のベタベタは『すす病』の原因菌が付着しやすくなるため、病気を引き起こす原因にもなります。

見た目の特徴は幼虫と成虫で違いがあり、幼虫は白い綿毛のようなものをまとっています。一方成虫は黒い殻のようなものに覆われています。とても小さく見落としてしまいがちですが、カイガラムシは葉の裏側や株の込み入っている部分に発生しがちです。

また葉の表面に小さな白い綿のようなものが付着している場合も、カイガラムシの発生を疑ってみて下さい。

葉の状態で原因を見極めよう

葉のベタベタには蜜腺からの分泌液とカイガラムシの発生の2種類が考えられるとご紹介しましたが、原因を見極めるポイントはどこにあるのでしょうか。
まず、分泌液が原因であれば、植物にとって自然な現象なため葉色や状態に大きな変化はありません。一方カイガラムシが原因であれば、
  • 葉色が悪くなる
  • 葉が枯れたようにぽろぽろと落ちる
  • 葉や株の成長が著しく悪い
といった症状があらわれます。こうした症状と合わせて葉のベタベタが発生した際は、カイガラムシを疑いましょう。

また、カイガラムシの幼虫は5月~7月に発生しがちなため、春先の季節からは植物の状態を注意深く観察するようにしてください。

カイガラムシへの対策と予防法

薬剤では、カイガラムシが発生した場合はどのような対策を講じればよいのでしょうか?

幼虫なら薬剤が効果的。成虫は歯ブラシなどでこすり落とす

カイガラムシの幼虫には、薬剤が効果的です。月に2~3回程度を目安に、適量を散布してあげましょう。

散布する際は、葉の裏面や株の込み入った部分まで念入りの行い、見落としのないように注意してください。

おすすめの薬剤は住友化学園芸から発売されている「カイガラムシエアゾール」。スプレータイプなので植物の上部まで薬剤が届きやすく、しっかり駆除することができます。

成虫になると、カイガラムシは『虫体被覆物』と呼ばれる殻で覆われるため、薬剤が効きにくくなります。そこで成虫を見つけた場合は、歯ブラシやティッシュなどを使ってこすり落とすようにしましょう。

落ちにくいときは、水で流しながら歯ブラシで落とすなどすると落ちやすくなります。作業の際にはベタベタの体液が付かないようにビニール製の手袋やマスクを付けておくのがおすすめです。

また、すでにカイガラムシによって枯れてしまった葉や枝は剪定してしまいましょう。剪定した部分は繁殖を防止するために、ビニール袋などに包んで処分します。

予防のために風通しや日当たりを意識する

カイガラムシの主な発生経路は、
  • 屋外などから風で運ばれてくる
  • 外出時に衣服などについて運ばれてくる
といった経路が挙げられます。とても小さな害虫のためなかなか目視で予防することが難しいため、カイガラムシが育ちにくい環境作りが大切となります。

具体的には、カイガラムシは風通しが悪い場所や日当たりの悪い環境を好んで繁殖します。観葉植物を置く際は、できるだけこうした環境は避け、カイガラムシの発生を予防しましょう。

また、普段から葉の裏側などを観察し、発生時は早めに対応することで被害を食い止めることができます。葉水などを定期的に行えば、予防効果が一層高まるでしょう。

カイガラムシが発生したら早めの対策を

今回は、観葉植物の葉がベタベタする原因について解説しました。

葉のベタベタの原因には、1)葉の蜜腺から分泌液が出ている、2)害虫であるカイガラムシが発生している、の2つが挙げられます。

分泌液の場合は問題ありませんが、カイガラムシが発生すると株が弱ってしまう他、葉や枝が枯れてしまう原因になりかねません。

早期に発見できれば、薬剤が効果を発揮します。また、日頃から風通しや日当たりの良さを意識することで、予防効果を高めておきましょう。

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